2011年2月19日

ミシマダブル 「わが友ヒットラー」


S-mishima.jpg翌日(17日夜)は「ミシマダブル/わが友ヒットラー」を観劇。
三島由紀夫が「この2作品は対になっているので、同じ俳優、同じセットでやってほしい」と生前希望していたものの、これまでそれは一度も叶うことがなかったそうです。今回それを蜷川さんが実現させたということで、やはり2作品セットで観なきゃ意味がないな~と。で、狙って申し込んでみたのですが、上手いこと2夜連続で取れて良かったです。
...のはいいんだけど、ふと「長いこと放置してあるJr.情報局名義を久しぶりに使おうかな~」と思って(お気に入りクンも斗真になってるし♪)、こっちは情報局で取ってみたら、中2階サイドの見ずら席キターーー><。久しぶりに取ろうが、お気に入りが斗真だろうが関係なく容赦ないのがジャニクォリティ。一貫してます(泣笑)あの見切れ席に¥11,000を大人しく差し出す私って、昨日はSかと思ってたけどやっぱりドMなのかしらん...ううう。素直に少年隊FCで取れば良かったなぁ~(「サド~」は少年隊名義で取った)。そういやコレ、セット売りもあったら良かったのに。どうしてセット売りしなかったんでしょうね?ま、チケは天下の回りもの、取れただけハッピーってことで、ひとまず気を取り直して~。

「わが友ヒットラー」は、三島が「レーム事件」(長いナイフの夜事件)に興味を抱いて書いた戯曲で、4人の男の対話を通し権力の階段を昇るヒットラーの姿をとらえた作品。やはり膨大な台詞の会話劇で、言葉の洪水の中へ観客は放り込まれることになります。一作品だけでもすごいのに、2作覚える脳ってどんなことになってるんだろう?改めて役者さんってすごい(驚嘆!)

1934年、6月某日。政権を得たばかりのヒットラーが、かつての革命の同志で右派のレーム、左派のシュトラッサーを首相官邸に呼び寄せ、それぞれと会談します。思い出話や理想、現状についての意見交換。しかし、すでに党内の支持を盤石にするため左右両端の勢力を切り捨てる決意を固めているヒットラー。武器商人クルップが見守る中、独裁と殺戮の時代への扉が静かに開く...。
「サド」は登場人物が全員女性、「わが友」は登場人物が全員男性。「サド」は「愛」を描き「わが友」は「権力」を描く。「サド」はパリを舞台に「わが友」はドイツを舞台に。どちらから見ても大丈夫だけど、やはり2作を両方見ることに意味があって、2作目を見終え同じように日常の空間へ戻された時、なんともいえぬカタルシスが駆け抜けていきました。

オープニングは「サド」とまったく一緒。同じように、搬入口が開放されてて、美術さんが鏡貼りのセットを運び入れ組み立て...セットが完成したところで、一度真っ赤な緞帳が降りて幕があく...という流れ。シャンデリアが煌びやかになってたのと、バルコニーに演説のマイクが置かれてたのが違いかな?
そんなちょっとデジャヴな雰囲気の中で、前日とガラリと違った男たちが丁々発止やっている。美しい貴婦人が軍人に、可愛いお人形さんがヒットラーに、湯婆婆(こら)が理知的な武器商人に、蝮夫人が死から逃げ惑う軍人になっている。
二幕終盤で「ああ、この2人(レームとシュトラッサー)はヒットラーに殺されてしまう...」とドキドキしながら休憩時間を過ごし、いよいよ次にドラマが待ち構えていると思いきや、三幕では粛清事件は終わってて「えええ~」と若干肩透かしを食らった気分になるんだけど、この芝居、三幕が秀逸でした。狂気、怯え、不安、孤独。我々が知るヒットラーのイメージはすでに恐ろしい怪物、独裁者としてのイメージが完璧に出来上がっていて、でもその怪物になる前は、彼も震えが止まらない夜を過ごしたこともあったのだろうかと、ふと思いを馳せました。

ヒガシ君(レーム)...相変わらず演技は生真面目で一本調子なんだけどf^_^; その硬さがレームのキャラに上手くハマってたように思えました。金髪の短髪がお似合い~。スタイルが良くてナチスの軍服がお似合い~。「シュッとしてる」ってこういう人のこと言うんだろうな、ってしみじみ思ってしまいました。や、サドの時も思ったけど、ヒガシ君ってこんなに美しかったっけ。ヒットラーの膝枕でゴロンと横になるシーンが絵になってて綺麗で。耽美なかほり...(笑)原作未読だったので、まさか三幕めに出てこないと思わずちょっとビックリでした。

斗真(ヒットラー)...一幕目を見て、う~ん斗真の年齢では少し若かったか...と思いきや、ぐんぐんと良くなり、三幕目がすさまじく良かった!「レームがやっと死んだと思ったら、今度はあなたが私に命令するのですか」あたりから、歌を口ずさむくだり、彼の狂気が恐ろしかった。20代の斗真が、70代の平さんに向かって「越えられない壁」をガンガン割ろうとしてるのが見えた。もっともっとこの人の成長を見守りたくなりました。

平幹さん(クルップ)...前の日とぜんぜん違~う!別人!「サド」の時と同様、そこにいたのは紛れもなく武器商人クルップでした。まさに「千の仮面を持つ...」ってこういうことなんだ!(てか平さんほどの名優をマヤに例えるとかナンセンスすぎですね~。ス、スイマセン><)。いやぁこれまた素晴らしくてすごい存在感でした。三幕目、ヒットラーにバルコニーから銃声を聞くよう諭すクルップ、ぐいぐいと迫ってきてたまらなく怖かったです。

木場さん(シュトラッサー)...前の日とぜんぜん違~うその2!こちらは木場さん本来の声の良さが際立ってましたね。二幕目でシュトラッサーがレームの足にすがりついたところで胸がギュッっと締め付けられそうになりました。木場さんのこの演技があってこそ、ヒットラーを信じきろうとするレームの感情が際立ってせつなくなりました。

上演時間自体「サド侯爵夫人」より少ないってこともあるかもですが、もっとあっという間に終わっちゃった感じ。心地よい疲労感~。私としては平さんの超絶演技に2晩続けてお付き合いできて幸せでした!出来るものなら真正面の席でもう一回観たかったのだけが心残り><

ちなみにこの回は松潤さまご来場でしたよん~。帽子に白いシャツで爽やかな感じ。あと、いのうえひでのりさんも居らして、蜷川さんも客席の一番後ろに居らっしゃいました。蜷川さんのこの原動力の源が知りたくてたまらない。
舞台が終わってセットがバラバラに壊され、搬入口が開き、我々は日常に戻っていく。でもその平和そうなこの日常の中に狂気、怯え、不安、孤独はまだ存在し続けているんだ。そんなことをポワンと思った夜でした。

コメント(2)

ミシマダブル、わが友ヒットラーのDVDが、早くみたいな。

庄子勝さんのコメントへの返信

庄司勝さん、コメントありがとうございます。
いまさらのお返事、大変申し訳ありません!(滝汗;)
Jさんの舞台はなかなかDVD化されずらいのですが、DVD化されたらいいですね。コクーン&蜷川さんだからNHKさんか、WOWOWさんあたりで放映があったらいいのになぁ~なんて密かに思ってたりします^^

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